シリコン(ジメチコン)入りの化粧品について

2018年3月7日

「ジメチコン(シリコン)」入りだから使わない・・とよく悪者にされがちなシリコン。

化粧品やヘアケア用品に入っていることが多く、しかしそれ自体はとても安全な成分です。

今回私は、あるオールインワンゲルの検証をするために商品を取り寄せました。

オールインワンゲルのおすすめ記事にもよく見かけるもので、私も随分前からランキングの候補として考えていて、この商品の検証を終えてから・・と考えていたからです。

しかし成分票を見、また実際に自分の肌で試し、朝晩計測もして様子を見てから、これは難しい・・と感じ、レビュー記事を書くことをきっぱり断念しました。

そのオールインワンゲルは成分表の1番目が水。二番目がジメチコンでした。

実は私は以前からジメチコンが全成分の前半になる基礎化粧品は避けたほうが良いという考えでした。

何度も重ねて言いますが、ジメチコン自体はとても安全な成分です
(ただスキンケアとしてダイレクトに肌のすぐ上に乗せるもの、一日中、そして睡眠中もつけているものとして、配合量のきわめて多いものは避けたい・・と考えていたのです。)

それは私自身の肌が、時として敏感肌に傾いてしまう、乾燥肌だからでもあります。

どういうことなの?と思われるかたもいらっしゃると思うので、わかりやすく説明していきたいと思います。

ジメチコンとは?

ジメチコンは毒でも危険なものでもありません。

一時期、シャンプーのノンシリコン系ものが流行った時に、このジメチコン(シリコン)=悪いものといった噂が流れていましたが、もうそんなこともなくなったようです。

そもそも、ノンシリコン入りのシャンプーを流行らせるための意図的な噂から始まったようです。

今はノンシリコンシャンプーでも困った点が出てきて、顧客離れにつながってしまったようですが、その話はまた今度することにしたいと思います。

ジメチコンの性質は

1・油にも水にも強い膜を作る。
2・べたつかない。つるつる・さらさらとした感触がある。
3・光・熱などの刺激や他の物質に反応しない
4・乳化したものを安定させて、均一にする

といった特徴があります。

つまりどんな成分とも反応しないので、何かと結合して悪い作用がおこることもないし、
もし食べたとしても吸収されることもなく、そのまま排泄されてしまいます。

では肌につけていたらどうでしょう?

油にも水にも強い被膜が、ずっと肌の上に密着して残り続ける・・ということになります。

そのため、この効果を利用して
ウオータープルーフのファンデーションや日焼け止め
(水や海水に濡れたらすっかり取れて、すごく日焼けしてシミになった・・なんてなったら大変ですよね・・。そんなことにならないように配合されているのです)
化粧下地(肌のでこぼこや毛穴を埋めてつるんとした素地を作ってくれます)
口紅(水や食べ物や空気で落ちてしまったら困りますので、配合されています)
などに入っています。

こういう落ちたり剥がれたりしたら困ってしまう・・という化粧品にはなくてはならない、大切な成分なのです。

ジメチコンを基礎化粧品に配合すると?

このようにジメチコンは非常に安全で信頼できる成分です。
しかしそれが基礎化粧品の筆頭にあるというのは・・・正直私は驚きました。
それはちょっと話が違ってきてしまうのです。

化粧品の成分票は、筆頭から配合量の多い順に書くように決められています。

ジメチコンは水にも油にも強く、落としにくいものです。

これを洗い流すには、オイルタイプのシリコン配合のクレンジング剤がなければ落とせません。

考えてみてください。

夜、お化粧やファンデーションを全部きれいに落として、すっぴんになりました・・。
そこにまたそれを塗ってしまうということは・・??

強い膜が肌につくられて、そのまま眠る・・ということになりますね。

私は夏など、寝ているときもかなり汗をかきます。
夏でなくても人は眠っている間にかなりの汗をかいていますが、そういった顔の排泄機能はどうなってしまうのでしょうか。

私にはそれはとても不自然なことに感じられるのです。

そして私はこのオールインワンゲルをつける前とつけた後の計測値にも首をかしげました。

何もつけていない状態が37。つけた後が41でした。

どんなオールインワンゲルでも、もっと私の数値はUPして、つけて41にしかならない・・ということはありませんでした。

それなのに顔はしっとりとしていて、さわるとしっかりと保湿されているようなテクスチャーなのです。

この指で感じるするする感、しっとり感と、計測器の示す値の違い。
実際には保湿されていないのに、手触りは保湿されているように感じるということ・・
手品のようです。

私は計測器が壊れたのかも?と思って10回ほど測り直しましたが、何度測っても40か41にしか上がっていませんでした。

また私は目元が乾燥しがちなので、目の周りにアイクリームや美容液を重ねたい・・と思っても
この強力な膜の上からは何も浸透することができないので、あとから付け加えるということもできないのです。

そして朝、洗顔をするときも、何か顔の上に膜のようなものが残っていて、落としきれていないような、妙な違和感を感じました。
顔を洗い、鏡を見て答えがわかりました。
あ・これは違う。
肌の奥まで保湿されていないとすぐにわかりました。

結論として私は、選び抜かれた私のベストたちの中にこれは加えられない・と判断しました。

ジメチコン入りの化粧品をどうとらえるか?

まとめますと
ジメチコン自体は、とても安全で、大切な成分です。

化粧品に使った場合は

水にも汗にも強く、崩れにくい
しっとりすべすべのテクスチャー
どんな刺激にも反応しない、安定した効果が得られる

といったメリットがあります。

でも、それを肌にダイレクトに載せる基礎化粧品にいれた場合
少量を入れる分には全く問題はなく、基材としての役目を果たしますので、成分を均一に混ぜ合わせて質も安定しますが
多く入れてしまった場合は被膜となってしまいます。

私は、基礎化粧品として朝や晩24時間肌に乗せておくものとしては
私のような敏感肌に傾き、肌がさほど強くない人や、脂性肌の人でニキビに悩む人などには
心からのおすすめはできないと考えました。

また、たとえどんなに今、元気で肌が丈夫な方であっても、みせかけの柔らかさやごまかしでは、長い間のうちに必ず問題がおこるのではないかと感じています。

私のランキングからはどれを選んでいただいても、安心して使えて肌にとって無理がなく、良い効果のあるものから選んでいただきたいな・・と心から強く願っています。